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トリマーさんのセンスの磨き方
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トリマーさんのセンスの磨き方

「ワタシにはセンスがない・・・」実は、そう悩んでおられるトリマーさんは多いです。しかし、センスは生まれ持ったものだけでなく磨き上げることが出来ます。そこで、具体的にはどうしたらいいのか?何から手を付ければいいのかを悩めるトリマーさん向けにまとめてみました。

いいなと思ったカットの写真をとにかく集める

センスを磨くにはまず、InstagramなどのSNS、あるいは雑誌や書籍でカワイイ!キレイ!など、あなたが良いなと思ったペットの写真をとにかく集めます。

その次に、なぜ魅力的と感じるのか分析をします。同じ犬種でも顔や被毛の色、手足の長さの違いがあります。その仔にあったカットを提供することで、「センスが良くなった」と自信を持つことが出来ます。各ペットに合った最適なカットが出来るようになるためには、デザインカットの引き出しを多く持つということが重要です。特に顔周りは飼い主さまが一番見ている場所です。目と鼻と口、耳などの位置を確認しながら、かわいらしく仕上げるなら丸く、かっこよく仕上げるならスッキリと輪郭が美しく見える角度で仕上げます。魅力的な作品の共通点を見つけてみましょう。

・左右対称のカット
・体と頭のバランスが良い
・正面から見た時の胴体と脚の太さの比率

芸術から美しさを取り入れよう

最も美しいと感じる「黄金比」


黄金比 = 1:1.618

はるか昔から、人間が最も美しいと感じる「黄金比」という比率があることをご存じでしょうか?これは数学的な法則でありながら、美の本質を示すものとして、古くから多くの芸術作品や建築物に取り入れられてきました。有名な絵画や建築物の中に黄金比を見出すことができ、ルネサンス期の絵画やギリシャのパルテノン神殿など、その美しさの理由の一つとしてこの比率が関係していると言われています。

黄金比は決して芸術作品や建築だけに限ったものではありません。実は私たちの身近なものにも数多く取り入れられています。例えば、名刺やクレジットカードのサイズ、有名企業のロゴデザイン、さらには自然界に存在する多くのものにも見られます。巻貝の形やひまわりの種の並び方、人の顔のバランスなどにも黄金比が関係しており、人間は無意識のうちにこの比率を「美しい」と感じるのです。

ペットのカットにおいても、この黄金比を意識することで、より洗練された仕上がりを実現できます。例えば、顔と体のバランス、頭部の形、マズルの長さ、耳の位置やサイズ感などに黄金比の考え方を応用すると、より自然で美しく整ったカットに仕上がります。トリマーさんも、ご自身のカットした作品を写真に収め、比率を測ってみると面白い発見があるかもしれません。

「対称性」の重要性

もう一つ、美しさを追求する上で重要な概念が「対称性」です。人間は左右対称的なものに美を感じやすく、建築やデザインの世界でも対称性が重視されることが多くあります。たとえば、モナ・リザの顔はほぼ左右対称に描かれており、古代ギリシャの彫刻や現代のロゴデザインにもこの考え方が活かされています。

ペットカットにおいても、左右対称に仕上げることは非常に大切です。特に、ショーやコンテストのカットでは、どれだけ左右が均等に整っているかが審査の重要なポイントになります。顔の左右バランス、足の長さ、毛のカーブの角度まで細かく調整することで、より美しい仕上がりになります。また、カットだけでなく、ブラッシングやドライイングの段階から左右均等になるよう意識することが大切です。

なぜ「美しい(センスが良い)」に心が惹かれるのか

私たちは、日々の生活の中で「美しいもの」や「センスが良いもの」に自然と目を向け、心惹かれます。これは単なる好みの問題ではなく、人間の本能や脳の仕組みに深く関係しています。では、なぜ私たちは美しさに魅了されるのでしょうか?

本能的に美しさを求める脳の仕組み

ヒトの脳は、視覚的に調和が取れたものを「美しい」と感じるように進化しています。特に「黄金比」や「対称性」などの法則に基づいた形やデザインは、脳にとって処理しやすいため、自然と好まれる傾向にあります。

「視覚情報の処理と快楽の関係」
美しいものを見ると、脳の「側頭葉」や「後頭葉」といった視覚を司る領域が活性化するだけでなく、幸福感や快楽を感じる「報酬系」(ドーパミンが関係する領域)も刺激されます。特に、美しい景色やアート、デザインに触れると、快楽ホルモンであるドーパミンが分泌され、幸福感を得られることが分かっています。また、人間の脳は「規則性」や「秩序があるもの」を認識すると、それを安心感として受け入れる性質があります。例えば、左右対称の顔や整ったデザインの建築物は、私たちの目に自然と心地よく映るのです。

進化の観点:生存と繁殖のための美

美しさに対する感覚は、人類が長い歴史の中で生き延びるために必要だったとも考えられます。

美しいものは「健康」と「安全」の象徴

進化心理学の視点から見ると、美しいものに惹かれる理由の一つは、それが「健康」や「安全」のサインになっているからです。例えば、人間が「対称性のある顔」を美しいと感じるのは、遺伝子の健康状態を示す指標と考えられているからです。病気や遺伝的な欠陥が少ないほど、顔の左右のバランスが整いやすく、それを本能的に「魅力的」と感じるように進化してきました。また、自然の中でも「美しいもの=安全なもの」と認識する傾向があります。例えば、新鮮な果物は色鮮やかで美しく、腐った食べ物は見た目が悪い。こうした経験の積み重ねが、私たちの「美しさ=良いもの」という感覚を育んできたのです。

センスの良さは「知性」の表れ

「センスが良い」とは、単に美しいものを選ぶことではなく、それらをバランスよく組み合わせ、調和させる能力とも言えます。この能力は、古代から人間の社会で重要視されてきました。例えば、古代の人々は、狩猟や農耕において「美しく整った形の道具」や「調和のとれた住居」を作ることができる者を優れた指導者として評価していました。美しいものを作り出せることは「知性」や「技術力」の証とされ、社会的な評価につながったのです。現代でも、ファッションやインテリア、デザインの世界でセンスが良い人が注目されるのは、この進化の名残とも言えるでしょう。

美しいものがもたらす心理的・生理的な影響

美しいものを目にすると、人間の心理や生理にさまざまな良い影響を与えます。

・ストレスの軽減とリラックス効果
美しい風景やアートを眺めることで、ストレスホルモン(コルチゾール)が減少し、リラックス効果が得られることが研究で明らかになっています。例えば、森林の緑や海の青い景色は、多くの人に安心感を与え、心を落ち着かせます。

・創造性と集中力の向上
美しいものに触れることは、創造力を刺激し、新しいアイデアを生み出す助けになります。オフィスのインテリアを整えたり、アート作品を飾ることが、仕事の生産性向上につながるという研究もあります。

・コミュニケーションの促進
ファッションやデザインのセンスが良い人は、他者とのコミュニケーションにおいても有利です。視覚的に魅力的なものを選び、整える能力は、相手に良い印象を与え、人間関係を円滑にする効果があります。

トリマーさんのセンスを磨くという事は、「より一層ペットへの愛情が増す」「人々に幅広く癒しを与えることができる」「」見る人の気持を落ち着かせること、気分を向上させる、心地よさを与えることができる」「被毛のツヤが清潔感を感じ、すがすがしい気分にさせる」「作り手(あなた)も達成感を感じることが出来る」これらのような周囲の方々が幸せな気持ちで満たされるメリットが沢山あるということです。

飼い主さまの「好み」、「ペットライフスタイル」を知ろう

あなたの感性が、より飼い主さまとペットとフィットするように「好み」や「ペットライフスタイル」をコミュニケーションを通じて知りましょう。例えば、お散歩が好きで飼い主さまの集まる機会が定期的にある仔であれば、お手入れしやすく、可愛さの中にもきらりと光る個性を表現できるようなカットスタイルが好まれるかもしれません。あるいは、個性的で毎回雰囲気をガラリと変えたいかもしれません。そういった飼い主さまとペットの希望を叶えつつ、あなたのカットセンスで表現しましょう。

自分の感性を客観的に見つめてみよう

あなたの「個性」はカットラインに表現されています。あなたの「クセ」を客観的に知ることで、それを「個性」として活用することが出来ます。あなたのオリジナル=個性を引き出し、上質かつハイセンスにすべく日々鍛錬しましょう。

正しい被毛のケア知識も必要

トリミングに来られた当日に施術し、思い通りのカットスタイルに仕上げるためには、日頃のペットの被毛のお手入れが必要です。飼い主さまにより満足していただくためにも、そのスタイルをいつまでも長続きさせるため、お家での正しいペットケア方法やケアアイテムをおすすめしましょう。お家で飼い主さまにしっかりとお手入れしてもらい最良の被毛の状態を保っていただく事が、あなたの技術として評価されることを自覚しましょう。

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