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ペットサロンが気をつけたい「薬機法」と「景品表示法」
ペットサロン経営

ペットサロンが気をつけたい「薬機法」と「景品表示法」

SNSでの投稿、店頭POP、トリミング後の飼い主さまとの会話、そしてオンラインショップでの商品説明・・・これらすべては、法律上「広告」とみなされる可能性があります。「うちのトリートメントは被毛が生き返る!」そんな善意の一言が、実は薬機法(旧薬事法)や景品表示法の違反対象となるおそれがあります。最近ではペット用品やペットサロン業界にも行政の指導が入り始め、“知らなかった”では済まないケースが増えています。

この記事では、難しい法律をかみ砕いて、ペットサロン様が「飼い主さまからの信頼を守りながら商品を魅力的に伝える」ためのポイントをやさしく、具体的に解説します。

薬機法

薬機法は、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言い、人や動物の「治療」「予防」「改善」などに関わる表現を厳しく規制しています。ペット用の商品でも同じで、シャンプー・ローション・サプリメント・除菌スプレーなどが対象となることがあります。

この法が定められた目的は「誤った情報で消費者を惑わせないため」です。

ペットサロンで扱う商品の多くは、「雑貨」「食品」のいずれかに分類され、それぞれで許される表現の範囲が異なります。

「治す」はNG、「整える」はOK ※2025年現在の内容です。

NG表現

「皮膚炎を治す」「かゆみを抑える」医薬品の効能を示してしまうため
「被毛を修復」「再生する」治療効果を想起させる
「フケを防ぐ」「細菌を除去」効果を断定している
「ノミを完全に駆除」動物用医薬部外品の範囲を超える

※上記はあくまで一般例であり、商品特性や表示媒体によって判断が異なる場合があります。

OK表現

「皮膚をすこやかに保ちます」化粧品レベルの表現
「被毛をやわらかく整えます」外観を整える表現
「清潔を保ち健やかな状態へ」清潔の表現はOK
「乾燥を防ぎうるおいを保ちます」“予防”ではなく“保つ”がポイント
「毎日のケアで美しい毛並みに導きます」感覚的表現にとどめる

よくある落とし穴「天然」「オーガニック」

“天然由来成分だから安全”“オーガニック処方で皮膚にやさしい”

これらの表現も注意が必要です。「天然」「オーガニック」には法律上の明確な定義がなく、根拠となる第三者認証や成分表示がないと誤認表示になるリスクがあります。

景品表示法

消費者が商品を選ぶときに「誤解させるような広告」を禁止する法律です。「実際より良く見せる」「根拠がないのにすごそうに見せる」など「誇大」「不当」「紛らわしい」表現を防ぐものです。

NG表現と理由

「日本一売れている」根拠となるデータが必要(出典・調査時期)
「今だけ半額!」実際は常時値引き → 虚偽表示
「100%天然素材」厳密には一部合成 → 誇大表示
「効果2倍!」「最も高品質!」科学的根拠のない比較表現
「業界初!」同様の製品が他にもあれば虚偽表示

※上記はあくまで一般例であり、商品特性や表示媒体によって判断が異なる場合があります。

改善例

「No.1人気商品!」▶「当社売上第1位(2024年実績)」
「最高品質の成分を使用」▶「厳選した成分を使用」
「絶対に効果があります」▶「多くの方が実感されています」
「100%天然」▶「主成分は天然由来です」

根拠を示せば安心です。景品表示法では「優良誤認」と「有利誤認」が主な違反内容です。

優良誤認:品質・性能を実際より良く見せる
有利誤認:価格・サービスを実際よりお得に見せる

たとえば「通常価格3,000円→今だけ1,500円!」と表示する場合、その“通常価格”で過去に十分な期間、販売していなければNGです。また、SNSキャンペーンでも「フォロー&いいねで必ずもらえる」などは、抽選である場合は「※抽選で」などをはっきり明示する必要があります。根拠がないなら“言い切らない”こと。誠実な言葉ほど、お客様の信頼は長く続きます。

ペットサロンでの具体的な注意ポイント

POP・ポスター
NG:「皮膚炎を防ぐ」「被毛を修復」
OK:「デリケートな皮膚にも使える優しい処方」

接客トーク
NG:「このシャンプーなら被毛が生き返ります!」
OK:「毛並みのツヤ感がより引き立つと評判です」

SNS・LINE投稿
NG:「効果抜群!」「奇跡の仕上がり!」
OK:「ツヤが出たと感じるお客様が多いです」

キャンペーン表示
NG:「先着全員プレゼント!」(実際は数量限定)
OK:「先着100名様にプレゼント(なくなり次第終了)」

※上記はあくまで一般例であり、商品特性や表示媒体によって判断が異なる場合があります。

薬機法・景品表示法のポイントを守ることは、「売上を制限すること」ではなく、「お客様の信頼を守ること」です。ペットサロンは、飼い主さまにとって“美と健康のアドバイザー”。その言葉ひとつが、ブランドの信頼を左右します。

「治す」ではなく「支える」、「効く」ではなく「実感する」
そんな表現の積み重ねが、あなたのペットサロンを“選ばれる存在”にしてくれます。

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