.jpg)
猫は自分で毛づくろいするのにブラッシングは必要?役割と嫌がるときのコツ
猫は自分で毛づくろいするのに、ブラッシングが必要なのはなぜ?
猫が自分の体を丁寧になめている姿を見て、「自分でお手入れできるなら、ブラッシングはしなくてもよいのでは?」と思ったことはありませんか。
猫にとって毛づくろいは、被毛についた汚れを取り除き、毛並みを整えるための大切な行動です。
しかし、自分で毛づくろいをする猫にも、飼い主さまによるブラッシングには別の役割があります。
ブラッシングは、猫の毛づくろいに代わるものではありません。抜け毛や毛のもつれを取り除く手助けをしながら、皮膚や被毛の状態を確認するためのお手入れです。
今回は、猫にブラッシングが必要な理由や、嫌がるときの進め方について紹介します。
-3-1024x576.jpg)
猫は毛づくろいで抜け毛を飲み込んでいる
猫は毛づくろいをするとき、舌を使って全身の毛をなめます。
このとき、舌に絡んだ抜け毛の一部を、そのまま飲み込んでいます。飲み込んだ毛が胃や腸などの消化管内でまとまり、毛球と呼ばれる毛のかたまりになることもあります。
アニコム損害保険の「みんなのどうぶつ病気大百科」でも、猫がグルーミングで摂取した毛が消化管内で毛球となることや、日頃のブラッシングによって口から摂取する毛の量を減らすことが紹介されています。
ブラッシングをしたからといって、毛の吐き戻しが必ずなくなるわけではありません。
それでも、猫が飲み込む前に抜け毛を取り除くことは、体内に入る毛の量を減らす手助けになります。
猫にブラッシングをする4つの理由
1.抜け毛を取り除くため
猫自身の毛づくろいだけでは、抜けた毛をすべて体の外へ落とせるとは限りません。
特に季節の変わり目など、抜け毛が増える時期には、なめ取る毛の量も多くなりやすくなります。
ブラッシングで浮いた毛や抜けかけた毛を取り除いておくことは、猫が毛づくろいの際に飲み込む毛の量を減らす手助けになります。
衣類や家具、床などに落ちる毛を減らしやすくなるため、猫と暮らす室内をお掃除しやすくするという生活面でのメリットもあります。
2.毛のもつれに気づくため
長毛猫は、猫自身が毛づくろいをしていても、毛のもつれができることがあります。
特に毛がこすれやすい耳の後ろ、首まわり、わきの下、お腹、脚の付け根などは、もつれや毛玉を見落としやすい場所です。
小さなもつれの段階で気づくことができれば、猫への負担が少ない範囲でお手入れしやすくなります。
一方、皮膚の近くで固まった毛玉に家庭用のハサミを入れると、毛と一緒に皮膚を傷つけてしまうおそれがあります。毛玉が硬く固まっている場合は、無理に切ったり引っ張ったりせず、動物病院や猫に対応しているグルーミングサロンへ相談しましょう。
3.皮膚や被毛の変化を確認するため
ブラッシングは、毛並みを整えるだけの時間ではありません。
猫の体に触れながら、次のような変化がないか確認する機会にもなります。
・いつもより抜け毛が多くないか
・毛がもつれている場所はないか
・フケやベタつきが目立たないか
・毛が薄くなっている場所はないか
・皮膚に赤みやできものがないか
・触られることを急に嫌がる場所はないか
ブラッシングを習慣にすることで、皮膚や被毛の普段の状態を知り、いつもとの違いに気づきやすくなります。
ただし、ブラッシングだけで病気の有無を判断することはできません。
赤みや脱毛、かさぶた、強いベタつきなどが続く場合や、触ると痛がる様子がある場合は、獣医師へ相談してください。
-4-1024x576.jpg)
4.毛づくろいが十分にできない猫を手助けするため
年齢を重ねた猫では、若い頃より毛づくろいの回数が減ったり、体の一部まで舌が届きにくくなったりすることがあります。
以前は毛玉ができなかった猫でも、年齢とともにグルーミング行動が減り、抜け毛を十分に処理できなくなる場合があるとされています。
背中や腰、お尻まわりだけ毛並みが乱れている場合は、猫自身のお手入れが行き届いていない可能性があります。
飼い主さまが猫の様子を見ながらブラッシングを行い、自分では届きにくい場所のお手入れを手伝ってあげましょう。
ただし、急に毛づくろいをしなくなった、体を曲げにくそうにしている、触ると怒るといった変化がある場合は、「年齢のため」と決めつけず、動物病院へ相談することが大切です。
-5-1024x576.jpg)
短毛猫にもブラッシングは必要?
短毛猫は長毛猫に比べて毛がもつれにくいため、「ブラッシングは必要ない」と思われることがあります。
しかし、短毛猫も毛づくろいの際に抜け毛を飲み込みます。
また、ブラッシングには、抜け毛を取り除くだけでなく、皮膚や被毛の状態を確認する役割もあります。そのため、短毛猫にも、その猫に合った頻度でブラッシングを取り入れることをおすすめします。
ブラッシングの頻度は、毛の長さや密度、抜け毛の量、季節、年齢などによって異なります。
一般的な目安として、長毛猫は毎日、短毛猫は週に2~3回程度とする情報がありますが、すべての猫に同じ頻度が適しているわけではありません。換毛期には、短毛猫でも抜け毛の状態を見ながら回数を増やすことが考えられます。
「決めた回数を必ず行う」ことよりも、猫の被毛と反応を確認しながら、負担のない範囲で続けることが大切です。
猫がブラッシングを嫌がるのはなぜ?
猫がブラッシングを嫌がる理由は、単にブラシが嫌いだからとは限りません。
・ブラシの先が皮膚に強く当たっている
・毛のもつれを引っ張られて痛い
・同じ場所を何度もとかされている
・長時間、体を拘束されている
・触られたくない場所から始めている
・眠いときや遊びたいときに始められた
このように、ブラシの種類や力加減、始めるタイミングが猫に合っていない可能性もあります。
猫が嫌がっているのに押さえつけて続けると、ブラシを見ただけで逃げるようになることも考えられます。
まずは全身を完璧にとかそうとせず、短い時間から始めましょう。
ブラッシングを嫌がる猫への5つの工夫
1.猫が落ち着いているときに始める
食事や遊びの直前、走り回っているときなどは避け、猫がくつろいでいるタイミングを選びます。
眠っている猫を急に起こして始めるのではなく、最初は手で優しくなで、猫の反応を確認しましょう。
2.触られ慣れている場所から始める
最初からお腹や脚の先など、猫が警戒しやすい場所をとかす必要はありません。
頭の後ろ、首まわり、背中など、普段からなでられることを受け入れやすい場所にブラシを軽く当てます。
3.数回とかしたら終了する
最初は、数回ブラシを動かすだけでも構いません。
猫が嫌がるまで続けるのではなく、落ち着いているうちに終えることがポイントです。一度に全身を行わず、場所を分けて少しずつ進める方法もあります。
4.毛の流れに沿って優しくとかす
ブラシを皮膚に押しつけず、毛の流れに沿ってゆっくり動かします。
同じ場所を何度も強くこすると、皮膚への負担や不快感につながります。ブラシをかけた場所の皮膚が赤くなっていないかも確認しましょう。
5.猫が好むことと組み合わせる
ブラッシングの後に遊ぶ、優しく声をかける、普段食べているおやつを少量与えるなど、猫が好むことと組み合わせる方法もあります。
猫が落ち着いているときに短時間で行い、おやつなどを活用しながら少しずつ慣らす方法が紹介されています。
ただし、おやつの与えすぎには注意し、猫の食事量や体調に合わせて調整してください。
ブラッシング中に確認したい猫の変化
ブラッシングをしているときは、次のような様子がないか確認しましょう。
・特定の場所だけ触られるのを嫌がる
・急に噛もうとする、逃げようとする
・毛が部分的に薄くなっている
・同じ場所ばかりをなめている
・フケやかさぶた、赤みがある
・毛がベタついている
・以前より毛玉が増えている
・背中やお尻まわりだけ毛並みが乱れている
普段はブラッシングを受け入れていた猫が急に嫌がるようになった場合は、皮膚の違和感や体の痛みなどが関係している可能性もあります。
家庭で無理に原因を判断せず、変化が続く場合は獣医師へ相談しましょう。
-1-1024x576.jpg)
毛玉を何度も吐く場合は、ブラッシングだけで判断しない
猫が毛を吐くことはありますが、「猫だから吐いても普通」と決めつけないことが大切です。
吐く回数が急に増えた、食欲や元気がない、繰り返し吐く、吐こうとしているのに何も出ないといった場合は、毛以外の原因が隠れている可能性もあります。
毛球症では嘔吐や便秘などの症状が見られることがあり、状態によっては治療が必要になります。気になる症状がある場合は、ブラッシングだけで対応しようとせず、早めに動物病院へ相談してください。
まとめ|ブラッシングは、猫の毛づくろいを手伝う時間
猫は自分で毛づくろいをしますが、それだけですべてのお手入れが完了するとは限りません。
飼い主さまがブラッシングをすることには、次のような役割があります。
・毛のもつれや毛玉に気づく
・皮膚や被毛の状態を確認する
・猫自身ではお手入れしにくい場所を手伝う
大切なのは、猫を押さえつけて一度に全身をとかすことではありません。
猫が受け入れられる時間や場所から少しずつ始め、毎日の暮らしの中で無理なく続けることが大切です。
ブラッシングを、単に毛を整える作業ではなく、愛猫の体に触れ、普段との違いを知るための時間として取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考・参照資料
・アニコム損害保険株式会社「毛球症<猫>|みんなのどうぶつ病気大百科」
・アニコム損害保険株式会社「ブラッシング<猫>|みんなのどうぶつ病気大百科」
・アニコム損害保険株式会社「猫にトリミングは必要?やり方と注意点を解説」
・ペット&ファミリー損害保険株式会社「猫のグルーミングとは?嫌がらないブラッシング方法・頻度を解説」


