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グルーミングに時間がかかる原因は?施術時間を見直す6つのポイント
グルーマーさん向け

グルーミングに時間がかかる原因は?施術時間を見直す6つのポイント

グルーミングに時間がかかっていると感じたとき、「もう少しカットを早くできれば」と考えることは少なくありません。

一方で、日々のサロンワークを振り返ってみると、施術時間を左右しているのはカットだけではありません。

シャンプー前の状態確認、予洗、シャンプー、すすぎ、タオルドライ、ドライイング。グルーマーさんにとってはいずれも日常的に行っている基本的な工程ですが、それぞれの工程で生じるわずかな差が、次の工程の進めやすさや最終的な仕上がり、所要時間に影響していることがあります。

例えば、ドライイングに時間がかかったとき、その工程だけに原因があるとは限りません。予洗やシャンプー、すすぎ、タオルドライまでさかのぼって考えることで、別の要因が見えてくる場合もあります。

この記事では、基本的な施術方法をあらためて解説するのではなく、普段のグルーミング工程を「時間」と「工程同士のつながり」という視点から捉え直します。

「どこを急ぐか」ではなく、「どこで時間が生まれているのか」。

日頃の施術を振り返るきっかけとして、6つの工程を見ていきます。

1.施術前の状態確認が、その日の工程設計につながる

同じ犬種、同じカットスタイルであっても、来店時の状態は毎回同じとは限りません。

被毛の長さや密度、もつれや毛玉、汚れの程度などによって、その日に必要となる作業や時間は変わります。前回と同じ工程、同じ時間配分を想定していても、実際の状態によっては調整が必要になることがあります。

施術を始めてから想定以上のもつれや汚れに気づけば、途中で工程を組み直したり、予定していなかった作業が発生したりすることもあります。

施術前に確認したいこと

・もつれや毛玉の位置、程度
・汚れが目立つ場所
・乾きにくいことが予想される場所
・触れられることを嫌がる場所
・前回の施術記録からの変化

これらを把握しておくことは、その日の施術を組み立てるうえで重要です。

また、状態によって予定していたスタイルや施術内容の変更が必要になる場合は、施術前に飼い主さまと認識を合わせておくことで、施術途中での確認や説明を減らせる場合もあります。

施術前の状態確認を単なるチェックとしてではなく、その日の施術時間と仕上がりを組み立てるための工程として捉えてみると、サロンワークの中で見えてくるものが変わるかもしれません。

2.重要!予洗の「状態」が、その後の工程を左右する

予洗の重要性は、多くのグルーマーさんが日々の施術で意識していることだと思います。

ここで改めて考えたいのは、「予洗をしているかどうか」ではなく、その日の被毛に対して、次の工程へ進みやすい状態をどこまでつくれているかという点です。

同じ犬種であっても、毛量や毛質、アンダーコートの状態、汚れ方などは毎回同じではありません。そのため、普段と同じように予洗を行っていても、お湯の行き渡り方にはわずかな差が生じることがあります。

特に被毛が密な場合などは、表面が十分に濡れているように見えても、根元付近までのお湯のなじみ方に差が出ることがあります。

こうした差は、予洗の段階では大きな時間差として感じられなくても、その後のシャンプー工程で、シャンプー剤のなじみ方や洗浄のしやすさとして表れることがあります。

十分にお湯が行き渡っていない部分が残っていれば、洗浄にムラが生じたり、汚れを落とすために同じ部分を繰り返し洗ったりすることにもつながります。さらに、その差がドライイングや仕上げの工程まで影響し、想定以上に時間を要する場合もあります。

つまり、ドライイングや仕上げで感じている「少し時間がかかる」という課題が、実は予洗の段階から始まっている可能性もあるということです。

予洗に長く時間をかければよいということではありません。その日の被毛の状態を見ながら、次の工程へ進みやすい状態をどこまでつくるか。その見極めも、グルーミング全体の時間を考えるうえで一つの視点になります。

なお、シャンプー剤の使用量や希釈方法は製品によって異なるため、各製品に表示された使用方法に沿って使用することが基本となります。

3.泡立ちではなく、「洗えている状態」に目を向ける

シャンプー時の泡立ちは、作業性を確認する一つの目安になります。一方で、泡の量だけで洗浄状態を判断することはできません。

例えば、いつもより泡立ちにくいと感じたとき、シャンプー剤を追加することで対応できる場合もありますが、その前の工程まで振り返ってみると、別の要因が見えてくることがあります。

予洗の状態、被毛の根元付近までのお湯のなじみ方、シャンプー剤のなじませ方、希釈方法、毛量に対する使用量など、複数の要素が関係している可能性があります。

重要なのは、「泡立たないから追加する」という一つの判断だけではなく、なぜその状態になっているのかを前の工程まで含めて考えることです。

また、汚れの程度によっては、一度の洗浄ですべてを仕上げようとするよりも、下洗いと仕上げ洗いで目的を分けた方が進めやすいこともあります。

その日の被毛の状態、使用する製品などに応じて洗浄工程を組み立てることが、仕上がりだけでなく、その後の工程をスムーズに進めることにもつながります。

4.すすぎを「洗浄の終了」ではなく、次工程への接続として考える

洗う工程に意識が向きやすい一方で、サロンワーク全体の流れを考えると、すすぎも次の工程に影響するポイントの一つです。

すすぎの状態にばらつきがあれば、その場では気づかなくても、タオルドライやドライイングへ進んだ段階で気になる部分が見つかり、再度シンクへ戻る必要が出てくることもあります。

一度終えた工程へ戻ることは、その作業にかかる時間だけではなく、わんちゃんを移動させたり、道具を持ち替えたりと、サロンワーク全体の動きにも影響します。

脇、内股、足先や指の間、首まわり、耳の周辺、しっぽの付け根など、形状や被毛の状態によってすすぎに差が出やすい部分もあります。

ここで考えたいのは、「すすぎに何分かけるか」ではありません。次の工程へそのまま進める状態を、すすぎの段階でつくれているか。

すすぎを一つの独立した工程として見るのではなく、洗浄からタオルドライ、ドライイングへつなぐ工程として捉えることで、時間の見え方が変わってきます。

5.タオルドライで、ドライイングのスタート地点は変わる

ドライイングに時間がかかると、ドライヤーの使い方や乾かす順番に目が向きがちです。

しかし、ドライヤーを使い始めた時点で被毛にどの程度水分が残っているかによって、ドライイングのスタート地点そのものが変わります。

つまり、ドライイングにかかっている時間のすべてが、「ドライイングの問題」とは限りません。

タオルドライでどの程度水分を取り除けているかによって、その後に風を当てる時間にも差が生まれます。一方で、水分を取ろうとして強くこすれば、被毛のもつれなど別の作業を増やす要因になることもあります。

被毛を包み込むようにして水分を吸収させる、吸水しにくくなったタオルを交換する、顔まわりや足先などドライヤーの風を嫌がりやすい部分はあらかじめ水分を取っておくなど、日頃行っている工夫が、その後のドライイングにどうつながっているかを改めて振り返ってみることも一つの方法です。

わんちゃんの大きさや毛量に応じたタオルの枚数や配置、交換のタイミングまで含めて考えると、タオルドライは単なる「ドライヤー前のひと手間」ではなくなります。

タオルドライとドライイングを一つの流れとして見ることが、時間を見直すヒントになるかもしれません。

6.ドライイングは、「乾かす時間」より「重複している時間」を見る

ドライイングに時間を要している場合、単純に乾きにくいことだけが原因とは限りません。

例えば、すでに乾いている部分と、まだ水分が残っている部分を何度も行き来していれば、一つひとつはわずかな時間でも、施術全体では大きな差になります。

・同じ箇所を何度も乾かしていないか
・乾いた部分と濡れている部分を行き来していないか
・タオルドライで取れる水分をドライヤーで取ろうとしていないか

被毛を分けながら乾いている範囲を把握し、未乾燥の部分へ順番に進めていくことは、乾かし方そのものだけでなく、同じ場所へ何度も戻る作業を減らすという意味でも重要です。

被毛の根元、脇、内股、足先、耳の周辺、被毛が重なる部分など、水分が残りやすい場所についても、単に「しっかり乾かす」というだけではなく、自分がどの段階で確認しているかを振り返ってみると、作業の重複が見つかることがあります。

また、わんちゃんの状態に応じた調整は必要ですが、自分の中で基本となるドライイングの流れを持っておくことで、「どこまで終わっているのか」を把握しやすくなります。

施術時間を見直す際には、「もっと速く乾かす方法」だけではなく、無意識のうちに同じ作業を繰り返していないかという視点を持つことも大切です。

もちろん、時間短縮を優先することでわんちゃんへの負担が増えてしまっては本末転倒です。わんちゃんの様子や状態を確認しながら、安全面を優先して進めることが前提となります。

「時間を短くすること」と「急ぐこと」は違う

グルーミング時間を見直す目的は、わんちゃんを急かしたり、必要な工程を省略したりすることではありません。

むしろ、必要な工程を確実に行いながら、やり直し、作業の重複、手待ちなど、「仕上がりにつながっていない時間」を減らしていくことがポイントです。

例えば、

・使用する道具を施術前に準備しておく
・シャンプー剤の使用方法や希釈方法をスタッフ間で共有する
・タオルやドライヤーなどの配置を見直す
・犬種や体重だけで施術時間を一律に考えない
・想定以上に時間を要した工程を施術記録に残す
・前回の記録を次回の施術前に確認する

といった部分も、サロンワーク全体の流れに関係します。

特に一度振り返ってみたいのが、「カットに何分かかったか」だけで施術時間を評価していないかという点です。

例えばドライイングに時間がかかったとしても、その要因がドライイングそのものにあるとは限りません。予洗やシャンプー、すすぎ、タオルドライまでさかのぼることで、改善につながるポイントが見つかる場合があります。

「どの工程に時間がかかったか」だけでなく、「なぜその工程に時間がかかったのか」まで考える。

この視点を持つことで、普段のサロンワークの中にある小さな時間のロスが見えやすくなります。

また、わんちゃんが落ち着かない、立位を維持することが難しい、普段と様子が異なるといった場合には、予定した時間内に仕上げることよりも、その日の状態に応じた判断を優先する必要があります。

皮膚などに気になる状態が見られた場合の対応

グルーミング中は被毛だけでなく、皮膚の赤みや傷、かゆがる様子など、普段とは異なる状態に気づく機会もあります。

その際にグルーマーさんが行うのは、病名や原因を判断・断定することではなく、施術中に確認できた状態を記録し、飼い主さまへ正確に共有することです。

「このシャンプーで治る」「使い続ければ改善する」など、治療や改善を示す説明は避け、必要に応じて動物病院への相談をご案内します。

一般的なペット用シャンプーは、被毛などを洗浄する目的で使用するものです。病気の治療や予防を目的とした施術や、製品に認められていない効能・効果を案内しないことも、プロとして押さえておきたいポイントです。

仕上がりは、カット前からつくられている

グルーミングの仕上がりは、シザーを入れたところから始まるものではありません。

施術前の状態確認、予洗、シャンプー、すすぎ、タオルドライ、ドライイング。

それぞれは日頃から繰り返している基本的な工程ですが、前の工程でどのような状態をつくれたかによって、次の工程の進めやすさは変わります。

そして、その小さな差の積み重ねが、最終的な仕上がりだけでなく、グルーミング全体にかかる時間にも表れてきます。

時間がかかっていると感じたとき、「もっと速くカットする」「もっと速く乾かす」と、その工程だけに答えを求めるのではなく、一つ前、さらにその前の工程までさかのぼって考えてみる。

すると、これまで問題だと思っていなかった工程の中に、見直すポイントが見つかるかもしれません。

まずは「何分かかったか」だけではなく、どの工程で予定より時間を要したのか、その要因はどこから始まっていたのかを振り返ってみる。

普段から丁寧に行っている施術だからこそ、工程同士のつながりに目を向けることが、仕上がりを大切にしながら、よりスムーズなサロンワークを考えるきっかけになります。

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