
秋の散歩で犬の毛につく「ひっつき虫」とは?見つけたときの対処とチェックポイント
秋になり、愛犬との散歩が気持ちよく感じられる季節。
公園や河川敷、草むらなどを歩いたあと、愛犬の被毛に小さな植物の実や種がたくさんついていたことはありませんか?

一般に「ひっつき虫」と呼ばれているものの多くは虫ではなく、人の衣服や動物の被毛などに付着して種子を運ぶ植物の実や種です。
秋から冬にかけては、オナモミやセンダングサ類など、さまざまな「ひっつき虫」を見かける機会が増えます。
今回は、秋のお散歩で気をつけたい「ひっつき虫」と、愛犬の被毛についてしまったときのチェックポイントをご紹介します。
「ひっつき虫」はなぜ犬の被毛にくっつくの?

植物は自分で移動することができません。
そのため植物の中には、種子や実を動物の体毛などに付着させ、別の場所まで運んでもらうことで生育範囲を広げるものがあります。
実際に、動物の体毛の長さなどによって、付着する種子の量に違いが生じることも報告されています。
犬の被毛にも、こうした種子や実が絡みつきやすいことがあります。
秋の散歩で見かける代表的な「ひっつき虫」
「ひっつき虫」は特定の植物の名前ではありません。人や動物に付着するさまざまな植物の実や種があります。
・コセンダングサなどのセンダングサ類
・ヌスビトハギ類
・イノコズチ類
形もさまざまで、丸くトゲのあるものや、細長く先端が引っかかりやすくなっているものなどがあります。
愛犬が草むらに入っただけで、気づかないうちに被毛へたくさん付着していることもあります。
特にチェックしたいのは「足・お腹・耳まわり」
散歩から帰ったら、体全体を軽く確認してみましょう。
特に植物と接触しやすい部位はチェックしておきたい場所です。
・脚の飾り毛
・胸、お腹
・脇
・しっぽ
・耳や耳まわり
長毛の犬の場合は、被毛の表面からは見えなくても、被毛の根元側に植物片が絡んでいることがあります。
散歩後に被毛を触りながら確認する習慣をつけておくと、早い段階で見つけやすくなります。
ひっつき虫を見つけても、無理に引っ張らない
被毛にひっつき虫が絡んでいると、つい指で引っ張って取りたくなります。
しかし、植物のトゲや突起が毛にしっかり絡んでいる場合、無理に引っ張ると一緒に被毛を引っ張ってしまい、犬が痛がることがあります。
取りやすいものは、まず指で少しずつほぐしてみましょう。
コームやブラシを使用する場合も、皮膚を引っ張らないよう、絡んでいる部分の根元を手で支えながら少しずつほぐしていきます。
一度に取ろうとせず、被毛への負担をできるだけ少なくすることがポイントです。
取れないときは無理をしない
被毛の奥まで複雑に絡んでいる場合や、犬が嫌がる場合には、無理に取り続けないことも大切です。
特に注意したい部分
・目の周辺
・耳の中
・鼻の周辺
・指の間
・皮膚に刺さっているように見える場合
また、イネ科植物などに見られる針状の突起「芒(のぎ)」を伴う植物片が、犬の耳の中や指の間に入り込み、動物病院で摘出された症例も報告されています。
散歩後から急に耳を振る、特定の場所を気にする、痛がるなど、普段と違う様子が見られる場合には、自己判断で取り除こうとせず、動物病院へ相談しましょう。
つけないためには「散歩コース」もチェック
ひっつき虫が多い時期は、草が伸びた場所に深く入り込まないことも対策のひとつです。
いつもの散歩コースでも、季節によって植物の状態は変わります。
「夏は何もなかった場所なのに、秋になると種がたくさんつくようになった」ということもあります。
特に草むらや河川敷、空き地などを歩いたあとは、帰宅後に被毛をチェックしておきましょう。
秋の散歩後はブラッシングを習慣に
秋は気温が落ち着き、愛犬と外で過ごしやすくなる季節です。
その一方で、散歩コースの植物も夏とは少しずつ変化していきます。
散歩から帰ったら、「何かついていないかな?」と、愛犬の体を軽く確認してみてください。

ひっつき虫だけでなく、小さな葉や枝、砂ぼこりなど、散歩中にはさまざまなものが被毛につきます。
散歩後のチェックとブラッシングは、被毛を整えるだけでなく、愛犬の体に触れて小さな変化を確認する時間にもなります。
気持ちのよい秋の散歩を楽しむためにも、帰宅後のちょっとしたケアを習慣にしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
・東京農工大学「ひっつき虫は誰が運ぶ?~動物に付着する種子の量に影響する要因の解明~」
・環境省 生物多様性センター「身近な生きもの調査 ひっつきむし」
・国立環境研究所 侵入生物データベース「オオオナモミ」
・国立環境研究所 侵入生物データベース「コセンダングサ」


